夜、旅が関係する本(10代女性 5,000円)

【選書リスト 吉富副店長より】

副店長以下スタッフ一同、「夜」や「旅」といった言葉を思い浮かべながら、連想の輪を広げていき、10代の女性に(と、ひとくくりにするつもりもありませんが)読んでいただきたい作品を以下選びました。

私は、若いうちに海外の作品をしっかり読んだ方がよいと思っています。

年を取ればとるほど、人は安きに流れてしまいがちですので、カタカナの名前や知らない地名がだんだん面倒になるわけです。


①新本:夏への扉 ロバート・A・ハインライン 早川書房 ¥1,300+税

⇒タイトルも素晴らしいSFの大名作。とはいっても舞台は1970年と2000年で、今よりずっと昔のお話となるわけですが・・・。SFファンもそうでない人も、ともかく若くて未読の方には自信をもってお薦めできる1冊です。もしあなたが猫が嫌いでなければなおさらです。文庫よりも装丁の美しいペーパーバックサイズ版で。

➁ 新本:フラニーとズーイ J.D.サリンジャー 新潮文庫 ¥630+税

⇒サリンジャーほど「10代のうちに読むべき」という形容がピタリとはまる作家もいないと思いますが、男の子なら『キャッチャー・イン・ザ・ライ』女の子なら『フラニーとズーイ』と、まあそう決まっているようです。

③新本:処女のまま死ぬやつなんていない みんな世の中にやられちまうからな 葵遼太 新潮文庫nex ¥630+税

⇒文庫担当推薦。八咫烏シリーズを推す書店員の多くが推す1冊です。

④中古:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社 ¥610+税

⇒ここ数年の刊行物の中でもとりわけ「絶対読みんでほしい」1冊です。イギリスのブライトンという町に暮らすパンクなお母さん(著者)と中学生の息子さんのお話ですが、この男の子がまあクールで可愛いこと。

⑤中古:ハイジ紀行 新井満・新井紀子 白泉社 ¥50+税

⇒「千の風になって」の作者として知られる著者が、それより前に出したもの。「アルプスの少女ハイジ」をめぐる紀行文。格安ですが状態良好です。

⑥中古:星の王子さま サン=テグジュペリ 岩波文庫 ¥286+税

⇒数々の出版社から数々の翻訳で出されている『星の王子さま』の、これが王道というべき岩波版です。

⑦中古:悲しみよこんにちは フランソワーズ・サガン 新潮文庫 ¥239+税

⇒20世紀の少女小説中もっとも有名な、そしてもっとも美しいタイトルだと思うのですが。装丁もなかなかのものです。

⑧中古:遠い太鼓 村上春樹 講談社文庫 ¥477+税

⇒個人的には村上春樹は長編よりも短編よりもエッセイ、しかも紀行文がいちばんよいと思います。なかでも、ギリシャ・イタリアへの長い旅行記である本書は絶品です。


上記の本が、あなたの人生を1mmでもよい方向に動かせてくれるなら、本当に書店員冥利に尽きます。

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