おまかせで。海外文学になかなか手が出せないので、数冊いれていただけると嬉しいです。(20代女性 5,000円)

【選書リスト 吉富副店長より】

この度はご注文まことにありがとうございます。

「近未来」「非日常」から連想されるオススメ本を選書いたしました。海外文学はいずれも大名作です。

①新本:夏への扉(新訳版) ロバート・A・ハインライン 早川書房 ¥1,300+税

⇒心温まるハッピーエンドと猫がでてくることで人気の高いSFの名作です。1957年に書かれたこの作品は1970年を舞台に、30年の冷凍睡眠を試みる人のお話で、つまり目覚める年すら今から20年も前ということになりますが、その文学的価値はまったく衰えていいません。装丁とサイズ感のかわいらしいペーパーバック版を選びました。

➁新本:幼年期の終り アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫  ¥840+税

⇒映画「2001年宇宙の旅」の原作者として名高い著者の名作。若いうちに読んでほしいSFの筆頭に挙げられることも多い、つまり絶対感動する1冊です。

③中古:戦場のコックたち 深緑野分 創元水文庫 ¥572+税

⇒昨年の本屋大賞第3位「ベルリンは晴れているか」でも第二次大戦中のベルリンをきっちり描写した著者の長編第一作。こちらの主人公はアメリカ軍のコック兵。戦場という非日常においても「食べること」という日常はそこにあるわけですが、その日常の謎を描いた傑作です。

④中古:ラッフルズホテル 村上龍 集英社 ¥191+税

⇒私のような人間には非日常のきわみのようなシンガポールの名門ラッフルズ・ホテル。その名をタイトルに冠した村上龍の1冊です。80年代に一時代を築いたW村上のもう一人。私はどちらも本当に大好きでした。個人的には男性の書き方は春樹の方が、女性の書き方は龍の方が好みです。これは1989年の初版。状態良好です。

⑤中古:霧笛荘夜話 浅田次郎 角川文庫 ¥334+税

⇒私の心をもっとも温めてくれる作家ですが、この人は日常と非日常のつなぎ方が抜群に上手いと思います。ただちょっと泥臭いので、とかく若い女性が敬遠しがちなわけですが。しかし本当に上手い人だし笑えるし泣けるし勇気が出るし、未読ならぜひとも浅田次郎を読んでほしいと思います。

⑥新本:カーヴァーズ・ダズン レイモンド・カーヴァー 中公文庫 ¥648+税

⇒村上春樹の見事な翻訳によって日本でも広範な読者を獲得した著者の傑作12編を収録。

 きわめて日常的な舞台設定ながらふと景色が(というかその意味合いが)一変するといえばよいのでしょうか?

⑦中古:蝉しぐれ 藤沢周平  文春文庫 ¥334+税

⇒時代小説の中でも最高位に位置する青春小説です。文体も端正ですし心温まりますし、ぜひ読んでほしいと思います。


以上7冊です。よろしくお願いいたします。

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